しろあんのさかな

ふーちゃのエンジニアブログ

エンジニア畑の学生が知識0から3ヶ月で簿記2級を取得した話

学校でハードウェア系の研究をしているエンジニア畑の学生ですが,内定先で入社までの簿記2級取得が必須だったので,内定承諾した8月中旬から11月中旬にある簿記二級の試験まで猛勉強した話です.

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Web照会での結果

簿記とは

簡単に言うと、会社でお金の出入りがあったときにどのように処理し、結局収支を考慮して利益がいくらあったか、お金の貸し借りはいくらあるか、資産はどれくらいあるかといった会社の財産の管理を機械的に帳簿に記録していく仕組みです。

簿記二級の難しさ

大問5問中で7割得点できれば合格します。簿記3級で学ぶ商業簿記のより詳しい仕分けに加えて工業簿記という新しい範囲が加わったものが2級の範囲ですが、ここ数年は出題範囲が広いことに加え,出題範囲が変わって過去問がないことがあり,数年前と比較して難易度が高くなったと言われていました。特に前々回までは、合格率が10%代の回が続いています。私が受けた回は難しい大問はあったもののミスなく解けば得点できる問題も7割以上あったため、簿記検定のまとめサイトでも2019.12.2現在で、合格率は25.9%くらいと比較的高い合格率ではないかと言われています。一方簿記3級は50%以上の受験生が合格しており、合格率や出題範囲を考慮して3級と2級の壁は2倍くらい高いといわれているようです。

スケジュール

簿記二級を取得するには,簿記3級の知識が必要です.簿記2級のテキストでは簿記3級の知識を前提としていることが多いため,まず簿記3級の勉強からはじめました.8月の2週間で3級、その後9月末まで1ヶ月にわたり2級の商業簿記、10月中旬まで2週間二級工業簿記、10月下旬まで2週間2級商業簿記、11月の2週間は工業簿記多めで過去問を中心とした演習と不安点の解消をして本番に臨みました。

利用したサービス

Udemyの簿記3級の講座

簿記三級は簿記二級を取得する上での基礎なので、しっかりやっておきたくてUdemyというオンライン学習サービスの授業を購入しました。あとで紹介するスッキリわかる日商簿記3級という参考本を片手に授業を聞きながら仕分けとはなにかを学びました。最大でも2週間で受け切ろうというスタンスの授業なので、集中力を切らすことなく受け切りました。 https://www.udemy.com/course/sukimaboki3/

内定先の簿記答練全3回

内定先が講師を会社に読んで内定者向けに開催する答練に参加しました。わからないところを潰すいい機会になりました。

勉強に使用した本

8月の内定承諾した日にすぐ書店までこの5冊の本を買いに行ってから、別の教科書は使わず、丁寧にわからないところを埋めていきました。
簿記3級は勉強をはじめて2週間後には過去問8割くらい解けるようになったので、3週目からは簿記2級の勉強をはじめました。3級と2級では決算整理の仕方がすこし違うので、いきなり2級から狙うのであれば3級の基礎を身につけたあと早めに2級に移った方がいいと感じました。2級は商店などで商品を仕入れて売る商業簿記だけでなく、工場などで部品を組み立てて売る工業簿記の範囲も出題されるため早めに3級から2級の学習に切り替える必要があると感じました。

スッキリわかる日商簿記3級

全ての基礎でした。2級の教科書は基礎が入った前提で書かれているので、3級の学習は必須でした。

スッキリわかる 日商簿記3級 第10版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる 日商簿記3級 第10版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリとける日商簿記3級 過去+予想問題集

結局3級の過去問は1回分しか解きませんでした。

スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集 2019年度 (スッキリわかるシリーズ)

スッキリとける 日商簿記3級 過去+予想問題集 2019年度 (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる日商簿記2級 商業簿記

株式、引当金減価償却、外貨建取引、税効果会計連結会計等をトピックに分けてわかりやすく解説しています。後ろに練習問題があり、決算整理など難しいところは3回以上、その他は2周くらい勉強しました。学会やアルバイトの移動中に持っておき、なんども読み直しました。

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第11版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第11版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる日商簿記2級 工業簿記

工業簿記は通算3週間くらいやりました。最初のインプットは2日でざっと読み、問題演習を紙とペンを使わずにとき、すぐ答えを確認する勉強法でだいたい1週間で全体を掴みました。総合原価計算CVP分析、製造間接費の配賦差異分析などはそのあと集中的になんども解きました。ルールがわかればあとは定着するので、最後の1週間で記憶を呼び戻すことで当日も工業簿記は満点を取ることができました。

スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第8版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記 第8版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)

スッキリとける日商簿記2級 過去+予想問題集

試験前1週間で5回分の過去問を解きました。工業簿記は6回分解きました。時間配分はあまり考えずに工業簿記は満点、商業簿記は第一問は満点、第二問第三問は6割以上を狙うことに決めていました。私が受けた153回は第三問が激ムズだったので、全てを解かずに解ける部分を守り抜くこの戦略がとても生きたと思います。

スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集 2019年度 (スッキリわかるシリーズ)

スッキリとける 日商簿記2級 過去+予想問題集 2019年度 (スッキリわかるシリーズ)

参考になった記事

簿記2級合格率はなぜ低い?理由は難易度ではない!

試験直前に工業簿記を重点的に演習したきっかけになった記事です。 sikakusyufu.info

日商簿記2級試験範囲改定での難易度の上がりっぷりがエグすぎる件

商業簿記の範囲について面白く解説している記事です。共感しながら読みました。 www.yutorism.jp

感想

全体的に過去問を学ぶよりもわかってないところを埋めていくように問題を選んだり,苦手な練習問題を解けるようになるまで繰り返し解いたりしました。 最後の1週間は過去問よりも,工業簿記を重視して勉強しました。

受けた試験は第三問が連結会計+工業簿記の混合問題でとても難しかったので、埋められるところだけ埋めて別の部分を確実に得点しました。

参考: matome.naver.jp

蓋を開けてみると第三問は4点、第一問第二問は両方とも14点なので、商業簿記の範囲は当日あまり得点できていませんでした。商業簿記は範囲が大きい割に配点は6割なので、4割の工業簿記をいかにミスなく得点できたかが大きかったと思います。全体を通して簿記を学んでみて、普段触れない分野だったので、勉強はとても楽しく、株式や有価証券のしくみは特にすぐにでも役立てられそうです。今は簡単に決算整理できるサービスがあり、電卓をぱちぱちして計算する機会もこれから減ってくるように感じます。今回このように簿記を学ぶ機会があって、例えば会社に入ってきたお金が資産なのか、費用なのか、負債が減少して利益が増加したのかなど綺麗に貸借で仕分けできる仕組みがあることに触れられてとても面白かったです。